耕種農業向けの取り組み 畑作(露地栽培・施設栽培)について 畑で農作物を栽培することを畑作と呼びます。その中でも、野外の畑で栽培した野菜の事を「露地野菜」、ビニールハウスやガラス温室などの施設を利用して栽培したものを「施設野菜」と言います。下記にそれぞれの特徴と一般的な作業スケジュール及び内容の例をご紹介します。 露地野菜の仕事 野外の畑で栽培した野菜の事を「露地野菜」と言います。ビニールハウスなどで保護・管理をしないため、日中と夜間の寒暖差や風雨などにさらされますが、日光など自然の恵みを存分に受けながら生産を行うことができます。 露地野菜で代表的なものでは、キャベツ、ダイコン、ハクサイ、レタス等の寒さに強く、霜の被害を受けにくいものがあります。キュウリやトマト、ナスやピーマンなども露地での栽培は可能ですが、高温を好み霜の被害にあうと枯死してしまうため、露地栽培できる期間は限られます。 【露地野菜の1日の仕事(例)】 07:00 出勤 07:30 作業準備 08:50 農作業・収穫・一般管理 12:00 昼食 13:00 農作業・選別・出荷など 17:30 片付け・日誌の記入 18:00 退社 01育苗 発芽したばかりの苗は病害虫や雨や風などの気候変動に弱いので、十分に育たない事があります。そこで播種後~ある程度苗が生長するまで、温室やビニールハウス等で管理することを育苗といいます。 02マルチング 畝に直接ポリエチレンフィルム等で覆いをすることをマルチングといいます。土の乾燥を防ぎ、地温の上昇、雑草の抑制などに効果があります。ポリエチレンフィルムの色によっても使用目的や効果が変わってきます。 03植え付け 育苗し、ある程度育った苗を実際に畑に植える作業を植え付けと言います。デリケートな苗を扱うので気を使う大変な作業ですが、植え付け機などを用い作業の効率化・省力化を図ります。 04間引き 発芽した苗同士の間隔が狭いと養水分を奪い合ってしまうだけでなく、日照不足などで生育不良をおこしてしまいます。そこで苗同士の間隔が近いものは成長不良の苗を抜きます。これを畑に種をまき、発芽後に行わなければならない作業の一つ「間引き」といいます。 05収穫 収穫は気温が低い早朝~午前中に行った方がよいとされています。その後の袋詰めなどといった野菜の出荷調整は日の当たらない涼しい場所で行います。中には「予冷」といって出荷をする前に野菜を急冷させることで鮮度を保つ処理もあります。 施設野菜の仕事 ビニールハウスやガラス温室などの施設を利用して栽培したものを「施設野菜」と言います。露地野菜との違いは、季節に関わらず1年を通して野菜を栽培できること、作業や生育状況が天候にあまり左右されないこと等が挙げられます。 施設栽培はもともとハウス内の気温を高め、露地栽培よりも早く野菜を生育・出荷させるために考え出された栽培方法です。しかし今では気温・地温・光量・土壌水分などの環境を人為的に調節し、周年的に品質の良い野菜を安定生産させることが一番の目的となっています。 【施設野菜の1日の仕事(例)】 06:45 出勤 07:30 打ち合わせ・作業準備 08:50 農作業 12:00 昼食 13:00 農作業・選別・出荷・販売・その他付帯作業 17:30 片付け・退勤 01芽かき 養分の奪い合いを防いだり、植物の風通しをよくするために行うのが芽かきです。葉の付け根にある芽「側芽(えき芽)」を摘み取ります。 02誘引 枝やツルを支柱に結び付けて形を整えたり、ツルを成長させたい方向へ導く作業です。 03温度管理 野菜の生育時期に合わせた施設内の温度管理も重要です。野菜ごとに好適な温度保つため、高温期には冷却が、低温期には加温が必要となります。 04電照 作物によっては夜間に電灯をつけて栽培する「電照栽培」が行われます。日中以外も光に当てる事で、花芽分化や開花の時期を調節し生育・出荷を早めることができます。