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飼料・肥料関連

配合飼料に欠かせないトウモロコシが日本に届くまで

アメリカ産飼料用とうもろこし

配合飼料は様々な原料を組み合わせて製造されていますが、特に多く使われているトウモロコシはアメリカを始めとして様々な国々から輸入されています。

今回は日本が最も多くトウモロコシを輸入しているアメリカ産トウモロコシがどの様な場所で生産され、日本に向けて出荷されるまでどの様に運ばれていくのか、メキシコ湾岸からの輸出ルートを中心としてご紹介します。

アメリカはトウモロコシの生産量第一位

アメリカ合衆国は世界最大の経済大国であると同時に有数の農業国でもあります。国内で生産された農畜産物は日本を始めとして世界各国に輸出されています。

トウモロコシの生産においては2019-2020年の米国生産量は約340百万トンで一位の生産量となっています。(出典:U.S.Department of Agriculture(米国農務省): Grain: World Markets and Trade

日本では飼料用トウモロコシの多くをアメリカから輸入しており、その量は年間700万トン以上になります。(出典:農林水産省:財務省貿易統計(輸入) 平成31年 令和元年

トウモロコシの生産が多い米国中西部

トウモロコシはアメリカ中西部のコーンベルトで多く生産されており、アイオワ州・イリノイ州・ネブラスカ州・ミネソタ州が収穫量の上位となっています。

各州で生産されたトウモロコシはそれぞれの地域の特性や地理的な関係から輸出向けが多い地域・国内消費が多い地域など、それぞれ用途に特徴があります。この地域では広大な土地でトウモロコシを生産していて、日本では見ることのできないような規模の畑が広がっています。

栽培されているトウモロコシは粒の上部にへこみがある「デントコーン」という種類で、畜産用飼料を始めとして様々な用途で利用されています。

アメリカでは4月に種付けをして9月頃から収穫が始まり、生産されたトウモロコシは鉄道・トラック・バージを利用してアメリカ各地に運搬されます。

コーンベルトとは?
アメリカ中西部のトウモロコシ生産が盛んな地域の総称です。アメリカのトウモロコシの多くがこの地域で生産されています。
バージとは?
河川や港湾で使用される運搬用の船舶のことで艀(はしけ)とも呼ばれます。エンジンがついていないため、タグボートによって運ばれます。

トウモロコシ生産地
トウモロコシ生産高上位10州(U.S.Department of Agriculture:2019年)。ミシシッピ川及びその支流での生産が盛んです。

アメリカとうもろこし畑
イリノイ州のトウモロコシ畑。見渡す限りにトウモロコシ畑が広がっています。

トウモロコシ生産地から輸出港までの輸送方法

日本向け輸出用トウモロコシは鉄道又はバージで太平洋岸北西部及びメキシコ湾岸まで運ばれることがほとんどです。特に日本向けはメキシコ湾からの輸出ルートが中心となっています。

生産されたトウモロコシは生産者が穀物エレベーターと呼ばれる穀物の貯蔵施設に運び込み、その後鉄道・バージにて目的地に運ばれます。それぞれどのように運ばれるのか見てみましょう。

鉄道による輸送

鉄道が敷設された穀物エレベーターでは生産者がトラックで運び入れたトウモロコシを貨物列車へと積み込みます。鉄道で運ばれる輸出向けトウモロコシの多くは太平洋岸北西部の港に運ばれ、世界各地へと輸出されます。

アメリカ国内では農産物を始め様々な商品等が貨物列車により運ばれており、長編成の貨車によって一度に多くのものを運んでいます。品質管理も徹底されており、検査なども行ってトウモロコシの品質を保っています。

穀物エレベーター
穀物エレベーターの写真。収穫されたトウモロコシはここで貯蔵された後、各地に運ばれます。

貨物
穀物運搬用の貨物列車。太平洋岸北西部の輸出拠点への輸送手段の中心となっています。

バージによる輸送

鉄道と並んでトウモロコシ輸送の要となっているのがバージ輸送です。主要生産地である中西部から輸出港のあるメキシコ湾までを流れるミシシッピ川及びその支流を活用した輸送方法となっています。

川沿いにある穀物エレベーターに集められたトウモロコシをバージへと積み込み、ミシシッピ川を南へ下ってメキシコ湾岸のニューオリンズへと運ばれます。ニューオリンズ付近までは最も遠いところから20日程度かかるようです。

運搬用船舶
白い船によって運ばれているのがバージです。エンジンがないため他の船によって運ばれます。

運搬用船舶
輸出用穀物エレベーターに到着したバージ。ここで荷物をおろします。

トウモロコシを船に積み替えて日本へ輸出

輸出港へと運ばれたトウモロコシは港に設置されている穀物エレベーターへ搬入され、船に積み替えて世界各地へと輸出されます。積み込み前には米国農務省(USDA)による検査なども行われ、品質等について厳しくチェックされます。

バージにてメキシコ湾岸まで運ばれたトウモロコシはパナマックスやハンディマックスと呼ばれる船などに積み替えられます。アメリカを出発した船はパナマ運河を経由して太平洋を横断し、1ヶ月以上の日数をかけて日本の港へと向かいます。

パナマックスとは?
パナマ運河を通行することができる最大サイズの船をあらわす名称です。

飼料運搬船
ミシシッピ川河口に設置されている穀物エレベータ。川沿いにはいくつものエレベータがあります。

飼料運搬船
飼料用トウモロコシを船に積み込む様子。上部から直接船内に積み込みます。

おわりに

今回はアメリカ産トウモロコシが日本にどのように輸出されるかをお話しました。日本で使用される飼料用トウモロコシはアメリカ以外の国からも多く輸入されています。また、配合飼料には主原料であるトウモロコシを始めとして、様々な原料が使われています。

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