配合飼料が製造されている茨城県の”鹿島”を紹介
皆さん、茨城県の鹿島と聞くと何を思い浮かべますか?
鹿島アントラーズ、鹿島神宮など有名ですが、畜産業界に携わっている方は飼料工場が多い地域という印象があると思います。
今回は林商店がある千葉県のお隣り、茨城県の鹿島港にある飼料工場を中心に鹿島地域を紹介します。
鹿島港とは
飼料工場が集中している鹿島港は茨城県の南東部にある鹿嶋市及び神栖市に位置しています。この地域は鹿島港を中心に鹿島臨海工業地帯を形成する、茨城県で最大の工業地帯となっています。
鹿島港の周辺には今回紹介する飼料コンビナートの他に鉄鋼コンビナート・石油化学コンビナートやその他工場が集積しており、様々な製品が日々製造されています。
鹿島港の成り立ち
鹿島港のある鹿嶋市と神栖市はもともと農業や漁業が産業の中心でした。
昭和30年代に鹿島地域への工業地帯計画が策定されて昭和40年に工事が開始、現在では前述の通り鉄鋼・石油化学・飼料コンビナート群が形成されています。
穀物輸入の拠点
鹿島港は国際バルク戦略港湾(品目:穀物)に指定されており、パナマックス級以上の船が入港できるばら積み貨物の拠点港となっています。
参考:国際バルク戦略港湾
配合飼料に欠かせないトウモロコシはアメリカを始めとして海外から船によって運ばれてきます。トウモロコシを直接港に下ろすことができる鹿島港は、配合飼料製造にはもってこいの場所になります。
配合飼料工場が多く立地する鹿島
鹿島地域には10を超える飼料工場があります。飼料工場は全国の港を中心に数多くありますが、鹿島は全国的に見ても多くの工場がある地域になっています。
全国屈指の飼料基地
鹿島港は飼料コンビナートとしては全国屈指の規模をほこる拠点となっています。
鹿島臨海工業地帯のなかで飼料工場は港のすぐそばに集まっています。これは配合飼料の原料となるトウモロコシを始めとする穀物やその他原料が船で運ばれてくるためで、飼料工場の直ぐ側には船舶で運ばれてきた原料を荷揚げ・保管・送付するサイロ会社があります。
日本屈指の配合飼料生産量を誇る茨城県
都道府県別の配合飼料生産量をみると、鹿島地区がある茨城県は鹿児島県に次ぐ全国第2位の生産量(令和元年度)となっています。(出典:農林水産省:飼料月報 令和元年度 4-3月)
なお、配合飼料製造量を工場所在地別に見た場合には鹿島地域は全国一の生産量を誇ります。
飼料工場はやはり畜産の盛んな地域に多く集まっており、生産量1位の鹿児島・3位の北海道のように畜産が多い地域での配合飼料生産が多いです。鹿島で製造された配合飼料は関東全域やその近郊の生産農家へ運ばれます。
おわりに
今回は配合飼料メーカーが多く集まる鹿島地域を紹介しました。畜産が盛んな千葉県や茨城県は飼料工場に近く、畜産物の最大消費地である東京にも近い恵まれた地域であることも再認識しました。
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